最終更新日 2024年10月7日
現代におけるお墓の問題点
お墓は、代々受け継がれるものとして認識されていました。
しかし、最近は「お墓の跡継ぎがいない」や「子どもにお墓のことで迷惑をかけたくない」などの理由を抱えてお墓を購入しようか悩んでいる人が増えています。
また、受け継がれてきたお墓があったとしても、管理できるのかわからない状況というところもあるでしょう。
このような背景から永代供養が注目されてきています。
今回は、そんな現代の供養の在り方のメリットやデメリットについてご紹介します。
永代供養について
永代供養とは、「長い年月に渡って供養する」という意味があり、お寺で遺骨を預かって供養してもらうことができます。
先祖代々受け継がれてきたお墓であっても、後継ぎがいないとなれば、供養する人がいないのでお寺に供養をお願いすることができるのです。
しかし、お寺が永久的にそれぞれの遺骨を供養するというわけではありません。
一般的にこの方法で供養するときは、最初から遺骨を他の人との共同のお墓に納骨する場合と一定期間だけ納骨堂という簡易的なお墓に安置し、後に共同のお墓に入れて供養する場合に分かれます。
後者の場合は、遺骨を預かってもらえる安置期間が決められています。
その期間は、17回忌・33回忌・50回忌などと区切られていることが多いです。
この期間が過ぎると共同のお墓へ入ります。
そして、お寺が続く限り供養を行なってもらうことができるのです。
一般的なお墓よりも大幅に費用を抑えられる
上述してきた通り永代供養は、知らない人と一緒にお墓に入って供養されるので個別にお墓を持たなくても済みます。
それに、霊園などにお墓を設ける土地代も必要なくなるので、一般的なお墓を購入するよりも大幅に費用を抑えられるという大きなメリットがあります。
一般的にお墓を購入するとなれば墓石代と墓地の土地代などが必要になります。
平均で120万円~200万円前後といわれており、霊園や墓地の場所によってはこれ以上になることも。
さらにこの金額に加えて墓地の管理費なども必要になるので、合計するともっと費用がかかる可能性が高いのです。
しかし、共同のお墓へ入れるとなれば3万円~10万円程度で済みます。
それに、管理費用などの追加でかかる費用もないことが多いので経済的な負担を大幅に削減しやすくなっています。
納骨堂に預ける場合
一定期間のみ納骨堂に預ける場合は種類や期間によって変わりますが、大体10万円~100万円前後になります。
納骨堂の場所の条件によって値段が高くなることが多く、駅から近い場所や24時間いつでも参拝できる場所だと高い場合が多いといわれています。
特に東京などの都心に近付くほど高くなるといわれています。
それに、納骨堂の場合は共同のお墓に入れる費用とは別に安置期間中の保守や修繕、清掃、霊園の管理費などがかかることもあります。
それに共同のお墓に入ってからも別途で管理費を支払わないといけないお寺もあるので、事前に確認しておいたほうがよいでしょう。
ただし、納骨堂に安置している間に継ぐ人間がいなくなって管理費などを支払えなくなると、一定期間個別で安置してから共同のお墓へ入れることになります。
共同のお墓に入ってから管理費を支払っても、遺骨を出すことができないので注意が必要です。
永代供養の場合位牌は作る必要がない
位牌に関しては、永代供養だと作らなくてもよいとされています。
一般的に位牌は作るものとして認識されていますが、必ずしも作らなければいけないものではないのです。
昔は、故人の戒名や亡くなった日が彫られているので作って当たり前でしたが、現代は葬儀の形式も変わってきているので、別に位牌にこだわらなくてもよいでしょう。
しかし、受け継がれてきた先祖の位牌をどうすればいいか悩む方もいるでしょう。
一般的には、共同のお墓へ入れるときに「お焚き上げしてもらう」、または「お寺で預かってもらう」のどちらかになります。
預かってもらうときは、10年~20年預かってもらえる場合や数カ月~数年だけ預かってもらう場合に分かれます。
預かり期間が過ぎたらお焚き上げをお願いすることもできます。
一度共同のお墓に入った遺骨は取り出すことができない
永代供養のデメリットは、一度共同のお墓に入った遺骨は取り出すことができないことです。
例えば、家族全員に相談せずに独断で共同のお墓に入れてしまい、後に反対されたとなっても取り出すことができないのです。
この場合、場合によっては遺族の仲が悪くなる可能性があるので、共同のお墓に入れる前にきちんと話し合いをしておいたほうがいいでしょう。
もし、代々伝わるお墓に入れられるかもしれないというのなら、安置期間のある納骨堂にまずは入れたほうがよいかもしれません。
納骨堂に一旦入れておけば、遺骨をどうするのかゆっくりと考えられるようになります。
このように、永代供養を利用することはメリットもあればデメリットもあります。
今は故人の供養の在り方が変わってきているため、必ずしもお墓に入れてあげないといけないというしきたりはありません。
ですが、だからといって故人の想いを無視することや残された遺族の意思に背くことはできないので、きちんと話し合った上で共同のお墓で供養するのか、代々伝わるお墓に入れてあげるのかを決めるとよいでしょう。